福島地方裁判所 昭和４７年（わ）３７号 判決
事件名
法人税法違反被告事件
立会検察官
内田健
被告人
(1)
光健工業株式会社（代表者高橋光男）
本店所在地
福島県郡山市愛宕町一〇番五号
(2)
高橋光男（大正一〇年一〇月一日生）
本籍
福島県郡山市池ノ台一五〇番地
住居
福島県郡山市池ノ台五番一一号
職業
会社員
主文
被告会社光健工業株式会社を罰金一三〇万円に、被告人高橋光男を懲役六月に処する。
被告人高橋光男に対し、この裁判確定の日から二年間その刑の執行を猶予する。
理由
罰となるべき事実
被告会社は、郡山市愛宕町一〇番五号に本店を設け、建築請負業を営む資本金一、〇〇〇万円の株式会社であり、被告人高橋光男は、右会社の代表取締役で、右会社の業務一切を統括しているものであるが、被告人高橋光男は、右会社の業務に関し、法人税を免れる目的で、工事原価の水増しや架空計上、工事収入の除外等不正の方法により、昭和四四年七月一日から昭和四五年六月三〇日までの事業年度において、被告会社の実際の所得金額が三三、八二七、九九一円でなつたのにかかわらず、昭和四五年八月三一日所轄郡山税務署において、同税務署長に対し、所得金額は一七、九六二、〇一六円である旨の虚偽の所得申告をし、もつて、同会社の右事業年度の正規の法人税額一一、二一二、三〇〇円と、右申告税額五、四二一、七〇〇円との差額五、八〇〇、六〇〇円を、逋脱したものである。
証拠の標目
一、被告人高橋光男の当公判延における供述と検察官に対する供述調書並びに質問てん末書二〇通
一、光建工業株式会社の登記薄謄本
一、脱税額計算書
一、厚海徹の質問てん末書二通、上申書三通、検察官に対する供述調書
一、高橋光男の質問てん末書五通検察官に対する供述調書
一、菅谷啓造の未納事業税額計算書
一、池田栄一の法人税修正確定申告書三通、簿外預金調査書、個人預金および個人借入金調査書
一、菅谷啓造の架空工事原価調査書
一、塚原俊夫の社長勘定調査書
一、高橋光男、厚海徹の上申書
一、高橋光男、高橋ミヨの上申書四通
一、福井貞一、手塚幹雄、加藤レイ、富沢玲子、室根昭二、高橋極郎、藤村信一、渡辺善正、渡辺忠夫、松本新二、先崎一郎、神田保の各質問てん末書
一、加藤レイ、野替寛、山内須江、渡辺忠夫、松本修司、仲沼泰志、高橋武、渋谷孝、浜口満枝、川名八重子の各取引内容の回答についてと題する書面
一、箱崎和子、阿部謙一、藤村信一、佐藤クニ、山田孝、渡辺忠夫、渋谷孝の各上申書
一、室根昭二の訂正申立書
一、室根昭二、阿部謙一、山田孝、先崎一郎の各検察官に対する供述調書
一、押収してある法人税確定申告書二綴（昭和四七年押第二六号の一、二）、同総勘定元帳二冊（同号の三、四）、同増減工事メモ二枚（同号の五、六）、同覚書一枚（同号の七）、同見積書一綴（同号の八）、同見積書一綴（同号の九）、同金額出納帳三 （同号の一〇ないし一二）、同日誌 （同号の一三）、同出面帳一冊（同号の一四）、同領収書二綴（同号の一五、六）同工事月末申告書二綴（同号の一七、一八）
法令の適用
被告会社光建工業株式会社につき
法人税法第一六四条第一項、第一五条
被告人高橋光男につき
法人税法第第一五九条第一項（所得刑中
よつて主文のとおり判決する。
（裁判官 関口享）
右は謄本である。
昭和四七年五月 日
同庁
裁判所書記官 岡崎蔵